工場のエア漏れはなぜ起こる?エアー配管の点検方法と改修工事のポイント

「コンプレッサの電気代が年々上がっている」「末端の設備でエアの圧力が足りない」。こうした悩みの原因が、コンプレッサ本体ではなくエアー配管のエア漏れにあるケースは少なくありません。

エア漏れは音が小さく、工場の稼働音にまぎれて気づきにくいトラブルです。そのため、知らないうちに長期間放置され、電気代や設備への負担として積み重なっていきます。

本記事では、工場でエア漏れが起こる原因と起こりやすい箇所、点検の方法、エアー配管を改修する際のポイントを解説します。

工場でエア漏れが起こるとどうなるか

電気代のムダが積み重なる

コンプレッサは、配管内の圧力を一定に保つように運転しています。配管のどこかでエアが漏れていると、その分を補うためにコンプレッサが余計に動き続けることになります。

一つひとつの漏れは小さくても、工場全体の配管で見れば漏れ箇所が多数あることも珍しくありません。休日で設備が止まっているのにコンプレッサが動いている場合は、エア漏れを疑ってみる価値があります。

圧力不足で設備トラブルが起こる

エア漏れが増えると、配管の末端まで十分な圧力が届かなくなります。エアシリンダの動きが遅くなったり、エアブローの勢いが弱くなったりと、生産設備の動作不良につながることがあります。

このとき、圧力不足を補うためにコンプレッサの設定圧力を上げて対応している工場も見られます。しかし設定圧力を上げると消費電力も増えるため、根本的な解決にはなりません。

コンプレッサの寿命を縮める

エア漏れによって運転時間が長くなれば、コンプレッサ本体の摩耗や劣化も早く進みます。結果として故障のリスクが高まり、修理や更新の時期が早まってしまいます。コンプレッサの故障については「コンプレッサの故障原因と予防について解説!」もあわせてご覧ください。

エア漏れが起こりやすい箇所と原因

継手・カプラ・ホースの接続部

エア漏れが最も多いのは、配管や機器をつなぐ接続部です。継手のネジ部のシール材が劣化したり、カプラ内部のパッキンがすり減ったりすると、そこからエアが漏れ出します。

特にエアホースは、設備の移動や作業者の取り回しで繰り返し引っ張られるため、接続部が傷みやすい箇所です。ホース自体の亀裂や硬化も漏れの原因になります。

配管の腐食・サビ

古い工場では、エアー配管に鋼管が使われていることが多くあります。圧縮空気には水分が含まれているため、鋼管の内側は長年の使用で少しずつ腐食が進みます。

腐食が進んだ配管は、ピンホールと呼ばれる小さな穴が開いて漏れの原因になります。また、配管内のサビが流れて機器のフィルタ詰まりや故障を招くこともあります。

ドレンの排出不良

圧縮空気から出た水分(ドレン)は、配管の途中にあるドレントラップなどから排出されます。このドレン弁まわりが故障したり、開けっぱなしの状態になっていたりすると、ドレンと一緒にエアも漏れ続けてしまいます。

使っていない分岐配管の放置

レイアウト変更や設備の撤去を繰り返している工場では、使われなくなった分岐配管がそのまま残っていることがあります。こうした配管は普段誰も見ないため、漏れていても気づかれにくい箇所です。

エア漏れの点検方法

設備停止時の圧力降下チェック

工場全体でどの程度エアが漏れているかをつかむには、休日など生産設備が止まっているタイミングでの確認が有効です。エアを使う設備をすべて止めた状態でコンプレッサを動かし、配管内の圧力を上げてからコンプレッサを停止します。

その後、圧力計の数値がどのくらいの時間でどれだけ下がるかを確認します。設備が動いていないのに圧力が早く下がるようであれば、配管のどこかで漏れが発生していると考えられます。

音や石けん水による確認

漏れが大きい箇所は、静かな環境であれば「シュー」という音で見つけられることがあります。設備停止時に配管ルートに沿って歩き、音を頼りに確認していく方法です。

音で判断しにくい小さな漏れは、継手などの疑わしい箇所に石けん水を塗って確認します。泡が膨らめば、そこから漏れていると判断できます。手軽な方法ですが、高所の配管や広い工場ではすべてを確認するのに手間がかかります。

専用機器を使った調査

稼働中の工場や広い範囲を効率よく調べたい場合は、超音波式のリークディテクタなど専用の機器を使う方法があります。エア漏れで発生する超音波をとらえるため、稼働音が大きい環境でも漏れ箇所を特定しやすくなります。

専用機器を使った調査は専門業者に依頼するのが一般的です。漏れ箇所の特定から補修・改修までまとめて任せられる業者を選ぶと、対応がスムーズに進みます。

エアー配管の改修工事のポイント

部分補修か配管更新かを見極める

漏れ箇所が継手やホースなど一部に限られている場合は、パッキンや継手の交換といった部分補修で対応できます。比較的短時間・低コストで済むのがメリットです。

一方で、配管全体の腐食が進んでいる場合は、補修してもすぐ別の箇所から漏れが発生する「いたちごっこ」になりがちです。築年数の古い工場で漏れが頻発している場合は、配管ルートごと更新することも検討しましょう。

配管材を選ぶ

エアー配管には、主に鋼管、ステンレス管、アルミ配管などが使われます。鋼管は材料費が安い反面、内部にサビが発生しやすいのが弱点です。

ステンレス管はサビに強く、耐久性に優れています。アルミ配管は軽量で施工しやすく、将来のレイアウト変更にも対応しやすいのが特長です。予算だけでなく、工場の使用環境や今後の設備変更の予定も踏まえて選ぶことが大切です。

ループ配管で圧力損失を抑える

コンプレッサから一方向に延ばしただけの配管では、末端に行くほど圧力が下がりやすくなります。配管を輪のようにつなぐループ配管にすると、エアが両方向から供給されるため、末端の圧力不足を抑えられます。

配管更新のタイミングで配管ルートを見直せば、コンプレッサの設定圧力を下げられる場合もあり、省エネにもつながります。

ドレン対策を組み込む

配管内にドレンが溜まると、腐食や機器の故障の原因になります。改修時には配管に適切な勾配をつけ、低い位置にドレントラップを設けるなど、ドレンが自然に排出される設計にしておくことが重要です。

まとめ

エア漏れは気づきにくい一方で、電気代の増加、設備の動作不良、コンプレッサの寿命低下など、工場にさまざまな影響を及ぼします。まずは設備停止時の圧力降下チェックで漏れの有無を確かめ、漏れ箇所に応じて部分補修か配管更新かを判断することが大切です。

また、エアー配管はコンプレッサとセットで考えることで、より効果的な対策につながります。コンプレッサ本体の点検については「コンプレッサを長期間使用するための点検・修理・メンテナンス」もご覧ください。

広島岡山工場工事・保全センター.comでは、エア漏れの調査から配管の補修・更新工事、コンプレッサのメンテナンスまで一貫して対応しています。「コンプレッサの電気代が気になる」「エアの圧力が安定しない」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。